警察犬が隠された電子機器を発見しサイバー犯罪と戦う
編集者: Katerina S.
サイバー犯罪の増加に伴い、警察は捜査における新たな味方として、特別に訓練された犬たちを導入しています。これらの犬たちは、人間の目や通常の捜査では見逃されがちな隠された電子機器を発見することに特化しており、サイバー犯罪捜査に革新をもたらしています。
これらの犬たちは、薬物や爆発物の探知犬と同様の訓練を受けていますが、その専門はデジタル証拠の発見にあります。具体的には、SIMカード、USBメモリ、スマートフォン、ハードドライブ、SDカードといった、サイバー犯罪の証拠となりうる小型電子機器を嗅覚で特定します。これは、電子機器の製造過程で使用されるトリフェニルホスフィンオキシド(TPPO)という化学物質の匂いを犬が捉える能力に基づいています。この化学物質は、回路基板の過熱防止のために使用され、多くの電子機器に共通して存在するため、犬たちはこれらのデバイスを効果的に発見できるのです。
これらの「デジタル探知犬」または「電子記憶装置探知犬(ESD K9)」と呼ばれる犬たちは、すでに多くの事件でその有効性を証明しています。特に、児童搾取や家庭内暴力といった、デジタル証拠が決定的な役割を果たす犯罪捜査において、その能力は高く評価されています。容疑者が証拠隠滅のために電子機器を家具の中や壁の裏などに隠した場合でも、犬たちはその隠し場所を正確に突き止めることができます。ある報告によると、犬たちは人間が見逃したデバイスの約30%を発見することもあるとされています。
この革新的なアプローチは、法執行機関がデジタル時代における犯罪と戦う上で、強力なアドバンテージとなっています。例えば、サフォーク警察では、ラブラドールレトリバーやスパニエル種の犬たちが、SIMカードからハードドライブ、ダッシュカム、さらには車のキーフォブまで、幅広いデジタル機器を発見する能力を持っています。これらの犬たちは、8週間の集中的な訓練を経て、組織犯罪や暴力犯罪、脆弱な被害者が関わる事件の捜査に不可欠な存在となっています。
世界的に見ても、この種の犬の活用は広がっており、米国では約130頭のESD K9が活動しています。これらの犬の訓練は、多くの場合、専門の訓練施設で行われ、犬の適性や訓練の厳しさから、選抜されるのはごく一部です。この技術は、犯罪捜査の効率を高めるだけでなく、証拠発見の精度を向上させることで、より迅速かつ確実な事件解決に貢献しています。警察は、これらのデジタル探知犬チームをさらに拡充し、サイバー犯罪の隠れ場所をなくすべく、その能力を強化していく方針です。
ソース元
East Anglian Daily Times
Suffolk Police Unveil Three New Digital Detection Dogs
New Digital Detection Dogs to help combat digital crime
Police dogs to sniff out cyber criminals' devices
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