絶滅危惧種クロトビの保全を伝える教育ボードゲーム「Proyecto Milaneta」
編集者: Olga Samsonova
イベリア半島で最も絶滅の危機に瀕する猛禽類の一つであるクロトビ(Black Kite)の保全に焦点を当てた環境教育ボードゲーム「Proyecto Milaneta(プロエクト・ミラネータ)」が開発された。この教育ツールは、娯楽性、学習、そしてこの地域で深刻な個体数減少に直面する種への意識向上を融合させることを目的としている。
プレイヤーは、アラゴン野生生物回復センター(CRFS)が主導し、SARGAが管理する、2006年に開始された保護繁殖プログラムの現実世界を体験する。CRFSはクロトビの保護繁殖プログラムの先駆的施設であり、2025年4月24日には厳格なプロトコルに基づき150番目の雛が誕生するという成果を上げている。ゲーム参加者は、放鳥されたトビに装着されたGPS発信機によって追跡される、電力線、風力タービン、中毒、衝突といった現実の課題をシミュレートする。
欧州のLIFE EUROKITEプロジェクトでは、クロトビを含む猛禽類80羽がGPS送信機でタグ付けされ、その活動が追跡されている。この調査により、中毒や違法射殺が主な死因として特定されている。ゲームのメカニクスは、戦略カードを用いて実際の保全対策を表現し、約60分間で最大5人のプレイヤーが競争または協力して進行する。このゲームは、クロトビの現実の保全状況を教育的かつ刺激的な方法で一般に伝えることを目指している。
本プロジェクトの開発には、考案者のアルベルト・モンテロ氏、CRFSの科学顧問ホルヘ・ルシオ氏、獣医師のマリア・コルテス氏らが関与した。モンテロ氏によれば、保護繁殖プログラムからこれまでに約150羽が放鳥されており、そのうち5羽がイタリアのアスプロモンテ地域へ移動した。このゲームはアラゴン自然保護評議会の支援を受けており、アラゴン州の絶滅危惧種であるアカトビ(Red Kite)の保護繁殖プログラムの現実を伝える役割も担う。
本プロジェクトは、アラゴン州政府から公立図書館向けに100部が購入されるなど、市民参加を促進する先進的なアプローチとして制度的な後援を得た。この「Proyecto Milaneta」は2025年5月にサラゴサで発表され、現在、欧州のLIFE EUROKITEプロジェクトの一環として英語版が準備されている。LIFE EUROKITEプロジェクトは、GPSテレメトリー技術を用いてクロトビの生息地の利用状況を特定し、EUにおける猛禽類の死亡の主な原因を定量化し、中毒や風力タービンとの衝突といった人為的な死因への対策を講じることを目指している。このゲームは、こうした科学的調査と保全活動の成果を一般市民に伝える重要な架け橋となっている。
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ソース元
AraInfo · Diario Libre d'Aragón
SARGA
AraInfo
ECOticias.com
AraInfo
Congreso Internacional de Milano Real 2026
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