ポーランド初の小型モジュール原子炉(SMR)プロジェクト:エネルギー転換への道筋
編集者: an_lymons
ポーランドは、石炭依存からの脱却とクリーンエネルギー源への移行を目指し、国内初となる小型モジュール原子炉(SMR)の建設プロジェクトを推進しています。このプロジェクトは、国営エネルギー大手オルレン(Orlen)とシンテオス・グリーン・エナジー(Synthos Green Energy)が設立した合弁事業「オルレン・シンテオス・グリーン・エナジー(OSGE)」が主導しており、両社がそれぞれ50%の株式を保有しています。
ポーランドのエネルギーセクターは、2024年時点で電力の約57%を石炭に依存しており、欧州の中でも高い割合です。しかし、欧州連合(EU)の気候目標達成とエネルギー安全保障の強化のため、石炭からの脱却を加速させています。国民の原子力に対する支持率も高く、2022年には75%に達しました。このエネルギー転換戦略の一環として、ポーランド政府は2023年に国内6か所のサイトへの合計24基のSMR建設を承認しました。
このプロジェクトで採用されるのは、GEバーノバ(GE Vernova)が開発したBWRX-300型原子炉です。この原子炉は300メガワット級(MWe)の沸騰水型原子炉で、自然循環方式を採用した受動的安全システムを備えています。これにより、シンプルな設計と高い安全性が実現されています。また、工場での事前製造と現地での迅速な組み立てが可能なモジュール設計は、建設コストの削減とプロジェクトリスクの低減に貢献すると期待されています。BWRX-300は、カナダ、米国、英国など多くの国で導入が検討されている先進的なSMR設計の一つです。
オルレンのCEOであるイリネウシュ・フォンファラ氏は、2035年までに少なくとも2基のSMRを稼働させ、総容量0.6ギガワット(GW)を目指すという同社のビジョンを表明しています。この計画は、ポーランドのエネルギーインフラの近代化を推進し、欧州の気候目標達成に貢献するものです。ウッチェクでのSMR建設は、地域経済にも多数の地元雇用を創出し、地域の経済成長を促進すると予想されています。
ソース元
Tekedia
ORLEN and Synthos reach agreement paving the way for Poland’s first SMR nuclear power plant in Włocławek
Polish oil company Orlen to build small nuclear power
Progress in environmental permitting of Polish SMR projects
Great benefits for local governments from BWRX-300 investment
SMR
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