第3回ベオグラード・グリーン水素会議:プロジェクトの本格実施に向けた新たな展開

編集者: an_lemon

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ベオグラードでの「グリーン」水素に関する会議

2026年3月17日から18日にかけて、セルビアのベオグラードにある「ハイアット・リージェンシー」ホテルにて、第3回ベオグラード・グリーン水素会議が開催されます。「エネルギー転換の道標としてのグリーン水素」というスローガンのもと、欧州、中東、アジアの24カ国からエネルギー分野の主要なプレイヤーが集結し、持続可能な未来に向けた議論を展開します。

本会議は、水素エネルギーの導入を単なる戦略的計画の段階から、実際のプロジェクト実施へと移行させるための重要な転換点として位置づけられています。参加者は、理論から実践へと歩みを進めるための具体的なロードマップを共有し、実用化に向けた課題解決を図ることが期待されています。

セルビアは現在、水素エネルギーの普及に向けた法的枠組みの構築に注力しています。国家目標として、2035年までに年間5,100トン、2050年までには20,600トンの水素生産を目指しており、これは2030年までに総発電量の約半分を再生可能エネルギー(RES)で賄うという同国の野心的なエネルギー戦略の一環です。

再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、電力網の安定性維持が喫緊の課題となっています。水素は、送電網の柔軟性を向上させ、地域全体のエネルギー安全保障を確保するための鍵として期待されており、本会議でもその役割が中心的な議題となります。

プログラムの中でも特に注目されるのは、地域の主要電力会社の最高経営責任者らによるパネルディスカッションです。セルビアのEPSをはじめ、スルプスカ共和国のERS、ボスニア・ヘルツェゴビナのEPBiH、モンテネグロのEPCG、北マケドニアのESMといった、西バルカン地域のエネルギーインフラを支える企業のリーダーたちが一堂に会します。

国際的な協力体制も強固であり、Hydrogen EuropeやHydrogen Valley、ハンガリー商工会議所などの主要団体が参加を表明しています。また、西バルカン諸国の持続可能なインフラ整備を資金面で支える欧州復興開発銀行(EBRD)やドイツのKfW銀行の代表者も出席し、投資環境の整備について議論します。

専門家によるセッションでは、投資モデルやプロジェクトの採算性(バンカビリティ)、さらにはグリーン水素の競争力を測る指標である「水素の均等化コスト(LCOH)」に関する詳細なレポートが発表されます。これにより、投資家や事業者は市場の将来性をより明確に把握することが可能となります。

さらに、炭素国境調整措置(CBAM)への対応や産業界の輸出競争力強化、余剰エネルギーの有効活用、そして水素供給に不可欠なインフラ開発についても深く掘り下げられます。本イベントは、セルビア再生可能エネルギー協会(RES Serbia)の支援を受け、水素プロジェクト実施クラスター(H2 Cluster)および「Energija Balkana」ポータルが主催を務めます。

会議の開会式には、ドイツのアンケ・コンラッド大使、デンマークのペルニル・ダーラー・カーデル大使、そして英国の大使らが出席し、地域のエネルギー安全保障における水素の戦略的重要性を改めて強調します。国際的な外交官の列席は、この取り組みが単なる経済活動を超えた、国家間の重要な戦略課題であることを示しています。

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ソース元

  • Ekapija - Poslovni Portal

  • Serbio

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