オリバー・ラクス監督の『Sirât』、スペイン代表としてオスカーへ
編集者: An goldy
オリバー・ラクス監督の最新作『Sirât』が、第98回アカデミー賞国際長編映画部門のスペイン代表として選出されたことが、2025年9月17日にスペイン映画アカデミーより発表されました。
『Sirât』は、第78回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した作品で、モロッコの砂漠を舞台に、行方不明の娘を探す父と息子の旅を描いています。ラクス監督は、親密で詩的な作風で知られ、本作は彼の4作目の長編映画となります。この映画はスペイン国内で2025年6月6日に公開され、批評的にも商業的にも成功を収めました。アメリカでの配給権はNeonが獲得しており、スペインは本作を通じて国際長編映画部門での活躍を期待しています。アカデミー賞に向けたプロモーション活動は、12月まで集中的に行われる予定です。
ラクス監督は以前からモロッコを舞台にした作品を手掛けており、『Sirât』では砂漠のレイヴカルチャーを背景に、失われた家族の絆と人間の内面を探求しています。この作品は、カンヌ映画祭での高い評価に加え、スペイン国内でも好調な興行成績を記録し、その芸術性と物語性が多くの観客の心を掴みました。特に、砂漠という広大で過酷な環境の中で繰り広げられる父子の捜索は、登場人物たちの極限状態における精神的な葛藤と成長を浮き彫りにします。
スペイン映画アカデミーは、最終選考に残った3作品の中から『Sirât』を選出しました。この選考プロセスは、スペイン映画界における本作の重要性を示しています。Neonによる北米配給や、国際セールスを手掛けるThe Match Factoryの活動も、本作の世界的な評価を高める一助となるでしょう。ラクス監督の独特な映像美と深いテーマ性は、アカデミー賞の舞台でも注目を集めることが予想されます。彼のこれまでの作品群、『Mimosas』や『Fire Will Come』なども、自然の風景と人間の内面を深く結びつける作風で国際的に評価されており、『Sirât』もその系譜に連なるものとして期待されています。この映画は、単なる失踪劇に留まらず、過酷な状況下での人間の探求心や、予期せぬ場所で見出される繋がりといった普遍的なテーマを掘り下げています。アカデミー賞への道のりは、この作品が持つ独自の視点と芸術性が、より広い観客層に届く機会となるでしょう。
ソース元
Irispress
ABC
RTVE
The Hollywood Reporter
El Periódico
El Independiente
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