ハッブル宇宙望遠鏡が確認したダークマター優勢の原始的ガス雲「RELHIC」の存在

編集者: Uliana S.

これは「未完成の銀河」です:星を持たない、ガスに富んだダークマターの雲で、初期の銀河形成の遺物と考えられています。この天体は最初の確認済み発見です。

天文学者たちは、星を一切持たず、ダークマターの支配的な影響下にある、水素が豊富な前例のない宇宙構造の存在を確定しました。この天体は非公式に「Cloud-9」と呼ばれており、宇宙で初めて確認された「再電離限界H I雲(RELHIC)」の典型例です。この発見は、NASA/ESAのハッブル宇宙望遠鏡が取得したデータ分析に基づき、『The Astrophysical Journal Letters』誌に詳細が報告されました。

Cloud-9は、地球から約1,430万光年離れた渦巻銀河であるM94(メシエ94)のすぐ近くに位置しています。この特異な現象が最初に捉えられたのは2023年で、中国の500メートル口径電波望遠鏡(FAST)による電波サーベイ観測中のことでした。その後、米国にあるグリーンバンク望遠鏡やVLA(超大型干渉電波望遠鏡群)を用いた追跡観測により、その特有の電波シグネチャが裏付けられました。

最終的な星の不在の確認は、ハッブル望遠鏡のACS(先進サーベイカメラ)の観測によって達成されました。この観測結果が、Cloud-9が恒星形成のプロセスを開始できなかった「遺物(レリック)」としての地位を不動のものとしました。この天体は、理論上、恒星形成に必要な十分なガス量を保持していたにもかかわらず、なぜ星が生まれなかったのか、という中心的な科学的問いを投げかけています。

Cloud-9の主要な定量的特徴として、中性水素の核の直径が約4,900光年に達し、水素ガスの質量は約100万太陽質量と推定されています。しかし、ガスの圧力とダークマターの重力のバランスに基づいた計算によれば、Cloud-9の総質量は驚異的な50億太陽質量に達すると見られています。これは、ダークマターが圧倒的に優勢であることを示唆しています。この研究チームには、STScIのガガンディープ・アーナンド氏、同機関のレイチェル・ビートン氏、そしてミラノ・ビコッカ大学のアレハンドロ・ベニテス=リャンバイ氏らが名を連ねています。

研究者たちは、Cloud-9が「ダークユニバースへの稀有な窓」であり、「失敗した銀河の物語」の生きた証拠であると結論付けています。アレハンドロ・ベニテス=リャンバイ氏が指摘したように、星の不在は、銀河の「形成に至らなかった原初の構成要素」を示す理論を実証するものです。この発見は、ダークマターの非対称ハローがサブギャラクティックなスケールで存在するというΛCDM(ラムダ・シーディーエム)宇宙論モデルに、具体的な経験的裏付けを与えるものです。

このニュースが天体物理学界で重要視されるのは、恒星のフィードバック効果という撹乱要因なしに、ダークマターに完全に支配された構造を直接研究するまたとない機会を提供する点にあります。Cloud-9は、既知の他の水素雲とは異なり、そのコンパクトさと球状性によって際立っており、これは単なる残骸ではなく、動的に安定した構造であることを示唆しています。AURA/STScIのエンドリュー・フォックス氏が述べたように、中性水素成分を通じてダークマターの構造を調査できる可能性は、ダークマター物理学における新たな研究手法を開くことになります。

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ソース元

  • Рамблер

  • Sci.News

  • WV News

  • European Space Agency

  • NASA

  • Universe Today

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