2025年11月24日月曜日、フィリピンの命名規則に基づき「ヴェルベナ」と名付けられた熱帯低気圧が同国に上陸した。この気象システムは、スリガオ・デル・スル州に最初に上陸した後、アグサン・デル・ノルテ州を通過する経路を辿った。フィリピン大気地球物理天文庁(PAGASA)は、監視エリア内の熱帯低気圧に対し独自の名称を付与する慣習があり、ヴェルベナもその一環として命名された。
A TD, known as Verbena in the Philippines, has formed off NE #Mindanao. The depression will cross the southern and central #Philippines before reaching the South China Sea Tuesday night or Wednesday, local time.
月曜日終盤の観測によると、ヴェルベナは最大持続風速45キロメートル毎時を記録した。これに伴い、ルソン島、ビサヤ諸島、ミンダナオ島を含む広範な23の地域に対し、熱帯低気圧風力信号番号1が発令された。この警報レベルは、住民に強風への警戒を促すものである。フィリピンでは過去に台風による甚大な被害が発生しており、2011年には12の台風と熱帯暴風雨により350万人以上が被災し、1,557人の死傷者が出たとの報告もある。こうした背景から、気象情報の迅速かつ正確な伝達は国民の安全確保に不可欠な要素となっている。
熱帯低気圧の通過により、ビサヤ諸島全域とミンダナオ島の一部地域は広範囲にわたる降雨と突風に見舞われた。気象当局の予報では、ヴェルベナはその後ビサヤ諸島を横断し、西フィリピン海上で勢力を強める可能性が示唆されている。フィリピンは太平洋西縁の亜熱帯モンスーン地域に位置するため、一年を通じて熱帯低気圧やモンスーンによる気象災害に頻繁に見舞われる地理的特性を持つ。
フィリピン政府は、気象災害の軽減を目指し、国際協力機構(JICA)などと連携し、気象観測・予報・警報能力の向上に継続的に取り組んでいる。JICAはPAGASAと協力し、地上気象観測システムの維持管理能力向上や定量的降水量推定・降水ガイダンスの開発支援を実施しており、これは高品質な警報情報提供能力の強化を目的としている。また、カガヤン・デ・オロ市では、JICAとPAGASAの共同事業により、2025年4月4日に新たな洪水予警報システムの運用が開始され、地域住民の安全確保への貢献が期待されている。
ヴェルベナの進路は、現時点では日本への直接的な影響はないとされているが、フィリピン国内では、特に脆弱な地域において、降雨による洪水や地滑りへの警戒が求められる。市民防衛局(OCD)や沿岸警備隊(PCG)といったフィリピンの防災関連機関は、PAGASAからの気象情報を基に、国民への的確な情報発信と避難誘導の体制を維持する必要がある。気象警報の用語を地方の方言に翻訳するなど、住民への理解促進も継続的な課題として挙げられている。ヴェルベナの動向は、フィリピンが直面する気象リスク管理の継続的な重要性を改めて示している。



