エジプト新象徴：グランド・エジプト博物館、11月1日に開館へ

エジプトのギザに建設中のグランド・エジプト博物館（GEM）が、2025年11月1日に開館することが発表されました。この博物館は、古代エジプトの豊かな歴史と至宝を展示する世界最大級の考古学博物館となる予定です。

GEMは10万点以上の収蔵品を誇り、特にツタンカーメン王の遺品すべてが初めて一堂に会する展示は注目されています。黄金のマスクや戦車、宝飾品などが展示され、若き王の生涯を深く知ることができるようになります。また、ラムセス2世の巨大な像が来館者を迎えます。この像は、かつてカイロ市内に設置されていましたが、博物館のために移設されました。

博物館の設計は持続可能性を重視しており、反射屋根や省エネルギー照明などの特徴を備え、エネルギーコストを60%以上削減し、水の使用量を3分の1削減することが見込まれています。環境に配慮した設計は、アフリカおよび中東で初めてEDGE Advancedグリーンビルディング認証を取得しています。

観光はエジプト経済の重要な柱であり、GDPの約9%を占めています。GEMは年間500万人以上の来場者を見込んでおり、観光セクターと国家経済の活性化に大きく貢献することが期待されています。博物館の開館は、ホスピタリティや交通などの分野で数千の雇用機会を創出し、多大な経済的利益をもたらすと予想されています。

政治的不安定さや世界的なパンデミックによる度重なる遅延にもかかわらず、GEMの開館は重要な文化的成果であり、国民の誇りの象徴となります。古代の遺物、現代的なデザイン、そして持続可能な実践の融合により、GEMは世界の博物館の新たな基準を確立し、エジプトの遺産を次世代のために守っていくでしょう。博物館のデザインは、ナイル川とピラミッドからインスピレーションを得ており、その歴史的環境との調和を目指しています。