テスラと中国の太陽光機器供給に関する交渉
テスラ、中国企業から29億ドルの太陽光発電設備調達へ—米国内での生産体制を加速
編集者: Nataly Lemon
テスラ(Tesla Inc.)が、中国のサプライヤーから約29億ドル規模の太陽光発電用製造装置を調達するための最終交渉に入っていることが明らかになりました。2026年3月20日(金曜日)に報じられたこの大規模な取引は、イーロン・マスク氏が掲げる「2028年末までに米国全土で100ギガワット(GW)の太陽光発電能力を構築する」という野心的な計画の要となるものです。
主要な供給候補には、蘇州邁為科技(Suzhou Maxwell Technologies)、深セン市捷佳偉創新能源装備(Shenzhen S.C New Energy Technology)、および拉普拉斯(Laplace Renewable Energy Technology)の3社が名を連ねています。特に、太陽電池製造に不可欠なスクリーン印刷装置で世界最大手の蘇州邁為科技は、最有力候補と目されています。今回の調達は、原材料から完成パネルに至るまでの全工程を米国内で完結させることを目的としており、総投資額は約200億元に達する見込みです。
この戦略的投資の背景には、米国における電力需要の急激な増加があります。特に人工知能(AI)向けのデータセンター拡充や輸送手段の電動化が、需要を強力に押し上げています。米国エネルギー情報局(EIA)の統計によれば、米国の電力消費量は2025年に2年連続で過去最高を記録し、2026年および2027年もさらなる増加が予測されています。AI負荷を支えるデータセンターの消費電力は、2030年までに426テラワット時(TWh)に達する可能性があると指摘されています。
マスク氏が2026年1月のダボス会議(世界経済フォーラム)で表明した「100GWの発電目標」は、このエネルギーブームの中で極めて重要な意味を持ちます。一方で、今回の取引はワシントンが抱えるジレンマを浮き彫りにしています。製造業の国内回帰(リショアリング)を推進しつつも、クリーンエネルギー目標の達成には海外の高度な技術に頼らざるを得ないという現実です。太陽光発電の製造装置は、2024年にバイデン政権が導入した関税の対象外とされており、トランプ政権もこの除外措置を継続しています。ただし、秋までの納入を実現するには、中国商務省からの輸出許可が必要であり、設備はテキサス州へ送られる予定です。
米国のクリーンエネルギーを取り巻く政治情勢は、2025年7月4日にトランプ大統領が署名した「One Big Beautiful Bill Act(OBBBA)」によって一変しました。この新法は、2022年のインフレ抑制法(IRA)に基づいた再生可能エネルギープロジェクトへの税制優遇措置を大幅に縮小するものです。OBBBAにより、風力や太陽光プロジェクトへの税額控除は2027年末までに段階的に廃止されることが決まりました。テスラが現在、装置の大量調達を急いでいるのは、これらの規制が強化される前に強固な生産基盤を確保するためです。
今回の取引が成立すれば、テスラが単なる太陽光システムの設置業者から、製造分野へ深く関与するメーカーへと戦略的に転換することを意味します。このニュースを受け、蘇州邁為科技、深セン市捷佳偉創、拉普拉斯の株価はいずれも7%以上上昇しました。ファースト・ソーラー(First Solar)などの競合他社がIRAの補助金に依存する一方で、テスラは海外の先進的な製造ラインを直接導入することで、迅速な規模拡大を選択しました。これは、メガプロジェクトの実現において、グローバルなサプライチェーンの活用が依然として決定的な要因であることを示しています。
ソース元
Benzinga
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