Apple Inc.は、年次開発者会議である世界開発者会議(WWDC)2026を、2026年6月8日から6月12日まで開催すると正式に発表しました。この会議は主にオンライン形式で実施されますが、初日の6月8日には、選ばれた開発者や学生を対象とした特別な対面体験がApple Parkにて催されます。グレッグ・ジョズウィアック執行役員は日程発表に際し、今回の会議がAIの進展を主要な焦点とすることを予告しました。基調講演は6月8日月曜日の午前10時(PT)に開始され、iOS 27やmacOS 27といった次世代ソフトウェアの全貌が明らかになる予定です。
特に注目されるのは、長らく待たれていたSiriの抜本的な改良であり、内部コードネーム「Campo」として知られています。この刷新により、Siriは従来の音声アシスタントの枠を超え、ChatGPTやClaudeのような対話型AIエージェントへと変貌を遂げることが期待されています。この進化はApple Intelligence戦略の重要な柱であり、以前のバージョン(iOS 26.4が2026年3月24日にリリースされた際に見送られた機能)の遅延を経て、iOS 27の中核機能として登場する見込みです。
新Siriの能力向上の鍵を握るのは、Googleとの戦略的提携です。Appleは、GoogleのGemini AIモデルをカスタマイズしたものを、自社の「Apple Foundation Models」の基盤として組み込む方向で進めており、この提携には年間約10億ドルが費やされると報じられています。このハイブリッドアプローチにより、Siriはウェブ検索や文書分析といった高度な機能を実現し、競合他社との能力差を埋めることを目指します。この提携は、GoogleがAppleのデフォルト検索エンジンとしての地位維持のためにAppleに年間200億ドルを支払っている既存の関係とは別に存在します。
Siriのインターフェースと操作性も大幅に刷新されます。Campoは、過去のやり取りをメッセージアプリのようなスレッド形式で表示する専用のスタンドアロンアプリケーションとしてテストされており、ユーザーはチャット履歴の検索やピン留めが可能になります。システム全体への統合も深まり、「Ask Siri」ボタンがアプリのメニュー内に組み込まれ、選択したコンテンツを直接Siriに渡せるようになります。キーボードには「Write with Siri」機能が追加され、Siriの視覚的起動はDynamic Islandに光るアイコンとして統合され、処理中に「Searching」というラベルが表示されるテストが行われています。この新しいSiriは、メッセージ、メモ、メールといったデバイス上の個人データへのアクセス権限を強化し、より文脈に即したリクエスト処理を目指します。
WWDC 2026は、技術、創造性、コミュニティを祝う一週間として位置づけられており、Appleは100本以上のビデオセッションやインタラクティブなラボをオンラインで提供します。Swift Student Challengeの受賞者50名がApple Parkでの対面イベントに招待されるなど、次世代開発者の育成にも注力しています。このSiriの再構築は、iOS 27、iPadOS 27、macOS 27といったプラットフォーム全体におけるAppleの生成AI戦略の本格的な始動を意味し、ユーザーの情報アクセス方法に構造的な変化をもたらす可能性があります。



