第16回TRT国際ドキュメンタリー賞授賞式が閉幕：「新しい野生の形」が国際部門の最高賞を受賞

トルコのイスタンブールで、第16回TRT国際ドキュメンタリー賞授賞式が2025年11月9日に華々しく閉幕しました。このドキュメンタリー界における重要な祭典は、現実を記録し、真の知識を探求するための手段としてのドキュメンタリー映画の核心的な役割を改めて浮き彫りにしました。TRT（トルコ・ラジオ・テレビジョン公社）のメフメト・ザヒド・ソバジュ総局長は、ドキュメンタリーがこの探求プロセスにおいて極めて重要な使命を担っていることについて声明を発表し、その意義を強調しました。

このフォーラムは世界的な注目を集め、98カ国から合計1,243件もの応募作品が寄せられました。これは、イベントの国際的な影響力の大きさを物語っています。今年のイベントの中心テーマとして掲げられたのは、「誰の物語、誰の真実か？」という問いかけでした。このテーマ設定は、複数の視点を深く考察する必要性が高まっている現代の状況を反映しています。たとえ地域的なものであっても、個々の体験談が人類共通の経験と共鳴し、普遍的な意味を持つという認識を示しています。

伝統的に、賞は四つの主要部門に分けて授与されました。具体的には、国際カテゴリー、国内プロフェッショナル部門、国内学生映画部門、そしてプロジェクト支援部門です。これらの部門を通じて、TRTは多様な才能と革新的な取り組みを網羅的に支援しています。

最も栄誉ある国際カテゴリーの最高賞は、シルジェ・エヴェンスモ・ヤコブセン氏の作品『新しい野生の形（A New Kind Of Wilderness）』に授与されました。この作品は、現実を捉える鋭い視点と表現力が高く評価され、今年のフェスティバルのハイライトとなりました。

トルコの公共放送局であるTRTが2009年からこの賞を主催していることは、ドキュメンタリー制作者を支援し、アイデアを交換するための重要なプラットフォームを提供し続けているという、同社の揺るぎないコミットメントを示しています。また、TRTワールドも過去に高い評価を受けており、例えば、国際法と人権の問題を取り上げたドキュメンタリー映画『聖なる贖罪』は、ニューヨーク・フェスティバル2025で表彰されています。TRTは、質の高いドキュメンタリー制作の推進役として、国際的な地位を確立しています。