ドウェイン・ジョンソンとエミリー・ブラント、「ザ・スマッシング・マシーン」でヴェネツィア映画祭に登場

編集者: An goldy

第82回ヴェネツィア国際映画祭にて、ドウェイン“ザ・ロック”ジョンソンとエミリー・ブラントが、最新作「ザ・スマッシング・マシーン」のプレミア上映に登場しました。

この映画は、MMA(総合格闘技)のレジェンドであり、リングでの圧倒的な強さと私生活での葛藤で知られるマーク・カーの人生を描いています。ベニー・サフディ監督がメガホンを取った本作は、1990年代後半から2000年代初頭にかけての、総合格闘技が実験的な時代であった頃の雰囲気を捉えています。ジョンソンは、この役柄に深い繋がりを感じていると語り、「マークの人物像は私たちの人生を変えました。これは勝利や敗北の物語ではなく、勝利そのものが敵になった時に何が起こるかを描いたものです。そこには弱さの中に強さがあることに気づきました」と述べました。カーの妻ドーン・ステイプルズを演じるブラントは、チャンピオンの周囲にいた人々の視点を描くことの重要性を強調し、自身の役柄に深い共感を寄せていることを明かしました。

「ザ・スマッシング・マシーン」は、ジョンソンにとって、これまでのブロックバスター作品とは一線を画す、より内面的で感情的な物語への挑戦となります。この作品はゴールデン・ライオン賞の候補にもなっており、アメリカ国内では2025年10月3日に公開予定です。

ジョンソンは、この役作りのために、自身のイメージである「ザ・ロック」という存在から離れ、役柄に深く没入する必要があったと語っています。エミリー・ブラントとの長年の友情と信頼関係が、この役で求められる「脆弱性」を引き出す上で不可欠だったと彼は述べています。ブラント自身も、ジョンソンが役柄に「完全に没入」し、撮影現場では別人のようになっていたと証言しています。

この映画は、マーク・カーの栄光だけでなく、彼が直面した薬物依存や人間関係の複雑さにも焦点を当てています。1990年代のMMAの黎明期、ルールが確立されていなかった時代に、カーは「ザ・スマッシング・マシーン」の異名で恐れられる存在でした。しかし、その栄光の裏で、彼は個人的な葛藤と戦っていました。ブラントが演じるドーン・ステイプルズは、カーの人生における重要なパートナーであり、彼の苦悩を共に経験する人物です。

ヴェネツィアでのプレミア上映では、観客から15分間のスタンディングオベーションを受けるなど、大きな反響を呼びました。この感動的な反応に、ジョンソンは涙を流す場面も見られました。この作品は、ジョンソンのキャリアにおける新たな一面を示すものとして、また、彼の俳優としての深みを証明するものとして、高く評価されています。業界内では、アカデミー賞の候補となる可能性も囁かれています。これは、2021年のブレンダン・フレイザーが「ザ・ホエール」でアカデミー主演男優賞を受賞した際のヴェネツィアでの反応を彷彿とさせます。マーク・カー自身も上映会に姿を見せ、感動的な瞬間を共有しました。この映画は、ジョンソンのキャリアの軌跡を再定義し、彼がハリウッドで真の俳優として認められるきっかけとなるかもしれません。

ソース元

  • La Voce di New York

  • Reuters

  • Associated Press

  • CinemaBlend

  • Wikipedia

  • La Biennale di Venezia

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