ヴィクトリア・ベッカム、Netflixドキュメンタリーシリーズでそのキャリアを振り返る

Netflixは、音楽アイコンから高く評価されるファッションデザイナーへと転身したヴィクトリア・ベッカムのキャリアを追う3部構成のドキュメンタリーシリーズ「ヴィクトリア・ベッカム」を2025年10月9日に配信開始します。ナディア・ハルグレンが監督を務め、デイヴィッド・ベッカムが設立したStudio 99が制作を手掛ける本作は、彼女のパリ・ファッション・ウィークへの準備過程に密着し、その不屈の精神と再創造の軌跡を明らかにします。

ベッカムのキャリアは、1990年代半ばにスパイス・ガールズの「ポッシュ・スパイス」として世界的な名声を得たことから始まりました。グループ解散後、ソロ活動を経てファッション界へ転身。2004年にはデニムライン「VB Rocks」で、その後もサングラスやジーンズのコレクションを発表し、ファッション業界での足がかりを築きました。2008年には自身の名を冠したブランド「Victoria Beckham」を立ち上げ、当初は少数のドレスコレクションからスタートしましたが、そのエレガンスと洗練されたデザインは高く評価されました。ブランド設立初期には「数百万ポンドの赤字」という経済的困難にも直面しましたが、粘り強さとビジネスセンス、そして進化し続けるクリエイティブなビジョンでブランドを成長させました。

ファッション業界は当初、セレブリティからデザイナーへの転身に懐疑的でしたが、ベッカムは自身の才能と努力でその評価を覆しました。2011年にはブリティッシュ・ファッション・アワードで「デザイナー・ブランド・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、2017年にはファッション業界への貢献が認められ大英帝国勲章（OBE）を授与されました。彼女のブランドは、着心地の良いラグジュアリー、洗練されたシルエット、そして大胆な色使いへと進化を遂げ、現在ではパリ・ファッション・ウィークでコレクションを発表するまでに至り、グローバルなファッションシーンにおける確固たる地位を築いています。

本作の監督であるナディア・ハルグレンは、ミシェル・オバマのドキュメンタリー「Becoming」で高い評価を得ています。ハルグレン監督は、ベッカムの個人的な側面と職業的な側面の両方に焦点を当て、彼女のクリエイティブプロセスや、パリ・ファッション・ウィークという重要な舞台に向けた準備の裏側を深く描き出します。このシリーズは、単なるファッションデザイナーとしての成功物語にとどまらず、一人の女性がキャリアの転換期に直面し、数々の困難を乗り越えながら自己を再創造していく感動的な人間ドラマを描いています。