九州地方を襲った記録的な豪雨：広範囲で洪水と土砂災害が発生

鹿児島県霧島市を中心に記録的な豪雨が発生し、広範囲で洪水や土砂災害に見舞われました。溝辺町では、わずか12時間で483ミリという月平均をはるかに超える降雨量を観測しました。一部地域では、観測史上最高の1時間あたり107.5ミリの降雨も記録されています。この豪雨により、ショッピングモールが浸水し、土砂崩れも発生しました。姶良市では土砂崩れで住宅が埋まり、2名が病院に搬送される事態となりました。この異常な降雨は、積乱雲の帯が県内を断続的に通過したことが原因とされています。

現在、鹿児島県と宮崎県では36万人以上に避難勧告が発令されています。気象庁は、九州地方で今後も大雨と雷雨が続くと予測しており、特に8月9日から11日にかけて、九州南部では1日あたり最大200ミリの降雨量が予想されています。このような自然災害は、気候変動の影響により、近年頻度と強度が増加する傾向にあります。過去の事例では、2017年7月の九州での豪雨被害は1.5倍に、瀬戸内では3.3倍に増加したとの分析もあります。また、2020年の三菱UFJフィナンシャル・グループなどの試算では、豪雨や洪水による損害は2050年までに年間1250億円に達すると予測されており、これは銀行の貸付ポートフォリオに影響を与え、担保価値の低下や返済遅延を引き起こす可能性があります。政府は緊急対応と復旧支援のための対策本部を設置し、国民の生命と安全を守るために全力を尽くすとしています。住民には、引き続き警戒を怠らず、安全確保に努めるよう呼びかけられています。